メモ帳のjunk2

来年の話をすると鬼が笑う。

本当よく笑う。笑うというか、照れくさそうに微笑む。今だってそう。視線を泳がせながら、飲んでいたミルクティーをストローでかき回してる。何かを誤魔化すかのように、氷がカランコロンとわざとらしく音を立てる。

その様子がおかしくって、僕は「次の春にはちゃんと花見に行こっか」とか「また冬が来たら一緒に鍋でもつつきたいねー」とか、先の話ばかりする。そうすると、鬼はまた笑う。やっぱり照れくさそうに、どこか嬉しそうに。

来年の話を、来年もきっとする。

来年の鬼も、再来年の鬼も、きっと笑う。