眠れない夜に一番必要なのはあなたの声

眠たいのに寝られない。

不眠症なんぞパワプロなら1週間ないしは2週間も通院すれば直るというのに、もはや年単位の付き合いになる。眠れない理由を個人的に色々考えたり察したりもするけど、どうにも余計なことを考えすぎてるらしい。

何しろ未来に対して悪いイメージしか持っていない。今周りにいる人もそのうちいなくなるんだろうなーとか。仕事を続けられるだろうかーとか。考えてもどうにもならないマイナスイメージばかり千切っては投げている。夜闇はすごい。投げたものを全部飲み込み深くなる。そうして闇を見つめるうち、明日が来なければいいのにと願う。やがて起きていれば明日が来るのが遅くなるのではと気付く。あれ、寝ないの最強じゃね? やったぜ天才! やってねえよ鈍才。

今日もそんな感じの流れで、布団の中で4時間粘ったすえに起きてしまった。4時間あったら何が出来たっていう話ですよ。なんて言ったみたけど、どうせゲーム(最近やってるソロゲーはルセッティア)しかしやしないし、横になってるだけで体はマシってもんよ。寝なさい寝なさい。しゃーないまた朝がやってくる。しゃーないまた夜が深くなる。

 

しかし、こういう時、寝る前に電話とかできる人とかがいると気分が楽になるんだろうなと思う。何を話すわけでもないけど世間話をのんびりして心を和らげられるような人が。

とは言っても僕は自分から電話をして「おい話そうぜ」と言えるようなキャラではないのでそれも適わないのだが。あー、何でも話せるめっちゃ世話焼きの幼馴染の女の子とか隣に住んでてくれないものか。

 

"prrrrrr……prrrrrr……"

 

「もしもし?」

「もしもし。こんな夜にどうした?」

「別に何も用事はないんだけど、ちょっと気になることがあって」

「気になることって?」

「……」

「どうした?」

「最近、まともに寝てないでしょ」

「えっ。な、なんで?」

「今日会ったとき、目の下まっくろだった」

「あー……それは夜更かししてゲームやってただけだよ」

「先週会ったときも、目の下まっくろだった」

「うっ……いやほらゲームにハマってる時期なんてそれくらいやるって!」

「ふ~ん……ま、それならいいけどさ。ゲームもほどほどにしないと体調崩すわよ」

「心配してくれるのか?」

「だーれが。アンタなんか幼馴染の腐れ縁じゃなきゃとっくに見捨ててるっての」

「ところがどっこい、その幼馴染なんだから大変ですなぁ」

「ひとごとか! あ~、もう寝るから切るわよ」

「へいへい。…………なぁ」

「うん?」

「……電話ありがとう、な。……おやすみ」

「……ふん。おやすみ」

 

よっしゃ本当は心配してるけどそんな素振りを見せるのが恥ずかしいからそれとなく様子を探ろうとしてる幼馴染との電話もしたし今日も頑張ろう。寝られなくて徹夜して迎えた朝の6時にこんなこと書いてるけど。何を頑張るっていうんだ。人権を捨てないとか?